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持ち家率の都道府県ランキングと、市区町村・町丁目の調べ方|平均世帯年収はどこまでわかるか

2026年7月19日 / 最終更新 2026年11月4日
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監修:タスデータ(住所・地図データの専門チーム)
国勢調査の小地域集計や課税状況調をもとに、エリア属性の集計を提供している立場から、実測値と推計値の境目を整理しています。

持ち家率は、住宅のうち持ち家がどれだけあるかの割合です。リフォーム、住宅設備、保険、不動産のように持ち家の世帯が客になりやすい商売では、営業やポスティングの地域を選ぶときの材料になります。

この記事では、まず都道府県の持ち家率を一覧で載せ、そのあと市区町村、町丁目と細かい単位で調べる方法を書きます。あわせて調べたくなる平均世帯年収は、持ち家率と違って細かい単位の公的統計がないので、どこまでわかるかを分けて整理します。

都道府県別の持ち家率(2023年)

総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要の付表から、都道府県の持ち家率を高い順に並べました。ここでの持ち家率は、人が住んでいる住宅のうち持ち家が占める割合(統計局の呼び方では持ち家住宅率)です。

順位都道府県持ち家率
—全国60.9%
1秋田県77.1%
2山形県75.0%
3富山県74.9%
4新潟県74.0%
5和歌山県73.8%
6岐阜県73.7%
7福井県73.5%
8奈良県73.2%
9三重県72.3%
10長野県71.7%
11青森県71.4%
12群馬県71.1%
13滋賀県70.9%
14岩手県70.3%
15鳥取県69.6%
15島根県69.6%
17茨城県69.4%
17香川県69.4%
19栃木県69.1%
20山梨県68.6%
21福島県68.3%
22徳島県68.1%
23佐賀県67.9%
24石川県67.8%
25静岡県67.4%
26山口県67.0%
27高知県66.0%
28宮崎県65.7%
29岡山県65.6%
30埼玉県65.1%
31愛媛県65.0%
32千葉県64.7%
32長崎県64.7%
34兵庫県64.4%
35鹿児島県63.3%
36熊本県62.9%
37大分県62.3%
38広島県61.9%
39京都府60.7%
40宮城県60.0%
41愛知県59.6%
42神奈川県58.7%
43北海道57.0%
44大阪府54.5%
45福岡県52.7%
46東京都44.7%
47沖縄県42.6%

出典:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」住宅及び世帯に関する基本集計(2023年10月1日現在)。同じ値の県は同じ順位にしています。

高いのは秋田県(77.1%)、山形県(75.0%)、富山県(74.9%)で、低いのは沖縄県(42.6%)、東京都(44.7%)、福岡県(52.7%)です。低いほうの5つのうち、沖縄県・東京都・福岡県・大阪府の4つは、同じ資料で住宅に占める共同住宅の割合が高いほうの5つにも入っています。マンションやアパートが多い地域ほど、持ち家率は低く出やすいと読めます。同じ資料によると、全国の持ち家率は1993年から2023年までの30年間、60%前後でほぼ横ばいです。

市区町村と町丁目の持ち家率は、別の統計で調べる

住宅・土地統計調査は、調査区を選んで調べる標本調査です。市区町村の結果が出ているのは、市区と人口1万5千人以上の町村に限られます(同じ資料の注記)。それより小さい町村や、町丁目、駅から半径1kmといった範囲は、国勢調査で調べます。

国勢調査の持ち家率は、住宅の数ではなく世帯の数で数えます(持ち家に住む世帯 ÷ 住宅に住む一般世帯)。数え方が違うので、同じ地域でも住宅・土地統計調査の持ち家率とは少しずれます。都道府県どうしを比べるなら住宅・土地統計調査、町丁目や半径で比べるなら国勢調査、と使い分けます。

持ち家率と平均世帯年収は、取れる細かさが違う

項目公的統計取れる粒度
持ち家率・共同住宅率あり(国勢調査・実測)町丁目単位
世帯の構成・単身率・子育て世帯率あり(国勢調査・実測)町丁目単位
平均世帯年収なし—(推計に頼るしかない)
納税者1人あたり課税対象所得あり(課税状況調・実測)市区町村単位

順に見ていきます。

町丁目の持ち家率は、国勢調査の小地域集計で取れる

総務省統計局の国勢調査には、小地域集計という町丁目単位の集計があり、この中に「住宅の所有の関係」の表があります。ここで気をつけたいのが、粒度によって取れる区分の細かさが違うという点です。

粒度取れる区分
市区町村単位持ち家/公営の借家/都市再生機構(UR)・公社の借家/民営借家/給与住宅 の内訳まで
町丁目単位(小地域)住宅に住む一般世帯/持ち家/民営借家 の3つ

つまり「この町丁目の給与住宅(社宅)の割合」までは取れません。町丁目で持ち家率を出す場合は、持ち家の世帯数 ÷ 住宅に住む一般世帯数という形になります。分母が「一般世帯数」ではなく「住宅に住む一般世帯数」である点は、他の統計と突き合わせるときに効いてきます。

同じく「住宅の建て方」の表からは、一戸建てか共同住宅かの比率が取れます(町丁目単位では主世帯・一戸建・共同住宅)。いずれもe-Statから無料でダウンロードでき、出典を明記すれば商用利用も可能です。

実際にやるときの手数

データがあることと、すぐ使えることは別問題です。実務では次の工程が発生します。

  1. e-Statで対象の表(所有関係・建て方)を都道府県ごとにダウンロード
  2. 境界データ(町丁目のポリゴン)を別途ダウンロード
  3. 調べたい地点を緯度経度に変換し、半径の円と町丁目を重ね合わせる
  4. 円からはみ出た町丁目を面積で按分して合計する

3と4は地図データを扱う処理になるため、Excelだけでは完結しにくい部分です。市区町村単位でよければ1と表計算だけで済みますが、「駅から半径1km」のような範囲で見たい場合はこの工程が必要になります。

平均世帯年収の公的統計は、存在しない

ここが、この記事で最も伝えたい部分です。町丁目単位はもちろん、市区町村単位でも「平均世帯年収」という公的統計は存在しません。国勢調査は所得を調査項目に含んでいないためです。

したがって、商圏分析サービスの画面に平均世帯年収が表示されている場合、その数字は各社が独自の方法で推計したものです。推計が悪いという話ではなく、実測値と同じ確度のものとして扱うと判断を誤りかねない、という性質の違いです。

サービスによって同じ地点の平均世帯年収が食い違うことがありますが、これはどちらかが間違っているというより、推計モデルが違うためだという見方ができます。数字を資料に載せるときは、推計であることと算出方法を併記しておくと、後から突っ込まれたときに説明がつきます。

公的統計で最も近いもの:課税対象所得

所得水準の代理指標として使えるのが、総務省「市町村税課税状況等の調」に収録されている課税対象所得と納税義務者数です。前者を後者で割ると「納税者1人あたりの課税対象所得」が出ます。「統計でみる市区町村のすがた」にも収録されており、無料で参照できます。

ただし、使うときに押さえておきたい制約が3つあります。

制約内容
粒度市区町村単位。町丁目や半径1kmには落とせない
単位「世帯あたり」ではなく「納税者1人あたり」。共働き世帯が多い地域では世帯年収との差が大きくなる
対象課税対象所得なので、納税義務のない層は分母にも分子にも入らない

それでも、市区町村間の相対的な所得水準の差を見る用途では、実測値として使える貴重なデータです。

タスデータでの扱い方(算出ロジックの開示)

参考までに、当サービスでこの2項目をどう扱っているかを書いておきます。推計を出す以上、方法を隠さない方が使う側が判断しやすいと考えているためです。

出力する項目には、それぞれ出典と粒度を明記しています。「これは町丁目の実測、これは市区町村の推計」と分けて見えるようにするためです。存在しないデータを、存在するかのように細かい粒度で出すことはしない、という方針をとっています。

住所リストをアップロードすると、各行に持ち家率・共同住宅率・平均世帯年収(推計)の列が追加されて返ってきます。
いずれも有料プランの項目です。

持ち家率・年収を調べる →

商圏レポート(無料・登録不要)で見られるのは、人口・世帯数・世帯の構成・最寄り駅です。

使うときの前提として

持ち家率にせよ所得水準にせよ、出てくるのはそのエリアの平均です。持ち家率70%のエリアにも借家の世帯は3割いますし、所得水準の高い市区町村にもさまざまな世帯があります。エリアの優先順位づけの材料にはなっても、個別の世帯の状況を示すものではない、という点は前提として置いておく必要があります。

営業リストのエリア分けやポスティング先の絞り込みのように、限られた回数をどこに使うかを決める場面で効いてくるデータだ、という捉え方が実態に合っているように思います。

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